モラハラ夫の不倫相手が妊婦だった話⑥
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テレビを観ながらスマホをいじってる背後から覗こうとしたり、パスワードになりそうな数字を探してみたり……当時の私はなりふり構わずでした。
『どうにかして優位に立ちたい』
浮気の証拠さえつかめば、すべて自分の思うように事が運ぶだろうと考えていたのです。
そんな時にモラ夫が隙を見せたので、ここぞとばかりに飛びつきました。
とうとう尻尾を掴みました。
モラ夫はやはり浮気をしていたのです。
この時点で、相手が夜中に目撃した女性かどうかまではわかりませんでしたが、上で挙げたメッセージはまだ序の口。
ここでは書けないような、赤裸々な愛の言葉が並んでいました。
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よく、マンガや小説で「わなわな」と表現しますが、まさしくその状態になった私。
寒くもないのにスマホを持つ手が小刻みに震えて、つむじから一気に血の気が引いていく感じがしました。
そして、「ドクン、ドクン」と自分の心臓が体から飛び出てくるのではないかと思うほどの動悸がして…足に力を入れていなかったら倒れていたかもしれません。
それから数秒後、我に返ってスマホを戻し、ふらつきながらもキッチンへ。
ひとつ大きな深呼吸をすると、モラ夫に悟られないよう「何もなかった」と自分に言い聞かせて洗い物を始めました。
でも、トイレから戻ったモラ夫がスマホを手にした瞬間、水が沸騰するかのように一気に怒りがこみ上げてきました。
『絶対に許さない』
心の中で何度もモラ夫に包丁を刺し続けたのです。。
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証拠があったといっても、浮気相手からのメールを見ただけで、自分の手元に残るものではありません。
『もっと証拠を集めなければ』
私はとなりで眠るモラ夫の背中をジッと見つめながら、眠れない夜を過ごしました。。
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次回、「⑦」に続きます!
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